Einja|ロール別等級制度(現行)
AIネイティブの評価 確定仕様
「AIネイティブをどう等級評価に組み込むか」を、制度の各所にどう織り込むかまで落とした実装仕様。推奨D案で確定的に記述し、ぽち判断(d)がE案になった場合の差分を末尾に明記する。
作成: 2026-07-08 夜 / 親: ぽち判断ブリーフ_AI駆動評価_20260708.md(意思決定)・等級表_メイン期待とレベル_v1.md§1(論拠)
📝 暫定・要ぽち承認
本ページはD案で確定的に記述した実装仕様だが、§4「ぽち確認ポイント」の(a)〜(e)はJul 15 FGで最終確定する。特に(d)(D案/E案の選択)がE案になった場合は、§5に記載の差分がこの仕様に置き換わる。
0. 一行結論
「AIを使ったか」という手段は採点しない。AIは採点の外側(=制度の前提+スキルマップの昇格ゲート)に置き、AIネイティブでないと上位に届かない構造だけを作る。崖でなく学習支援付きのランプにする。
1. なぜこの形か(手段を採点しない理由)
手段(AI利用)の直接採点(B案)は ①反発 ②計測不能(使ったフリ・過少申告) ③非本質 で必ず失敗する。成果だけ見てAI不問(C案)は、AIネイティブが浸透せずブランドが空洞化する。よって A+D:成果(再現資産)で採点し、AIネイティブ度はスキルマップの軸として昇格ゲートにする。
検討した案の比較(A〜E)
| 案 | 内容 | 評価 |
| A案 | 成果(再現資産)で採点し、AIネイティブ度のゲートやマインド追加は行わない(単独) | 単独では非推奨("AIネイティブ必須"を担保できない。§5) |
| B案 | 「AIを使ったか」という手段を直接採点する | 却下 — ①反発 ②計測不能(使ったフリ・過少申告) ③非本質 |
| C案 | 成果だけを見てAI活用の有無は問わない(AI不問) | 却下 — AIネイティブが浸透せずブランドが空洞化する |
| D案(推奨・確定=A+D) | 成果(再現資産)で採点しつつ、AIネイティブ度をスキルマップの軸として昇格ゲートに設定する | 採用。崖でなく学習支援付きのランプにする |
| E案(フォールバック) | AIネイティブ度を独立軸・昇格ゲートにはせず、いいんじゃマインドを8→9つ目に拡張して同列の行動評価にする | ぽち判断(d)がEになった場合の差分(§5)。マインド評価の重みが弱いと形骸化リスク |
2. 制度の4箇所への織り込み(ここが実装の本体)
2-1. 採点行動(個人等級シートの項目バンク)=手段を書かない
全帯の「改善・再現」軸の期待行動は、他者が再現できる資産を残したかという観測可能な成果で書く。
「工程を型化し、他者が再現できる資産(テンプレ・手順・自動化・プロンプト等)を残している」
- 禁止: 「AI活用で/AIで」と書くこと(書いた瞬間、上長が"AIを使ったか"を見る=手段警察の再導入)
- 禁止: 「生産性が上がった」等の前期比デルタ(基準期データのない新規メンバー・スコープ変更時に判定不能)
→ 見るのは「半期に再現資産が残ったか」という事実のみ。AIはその資産を作る最短手段なので、成果を見れば結果的にAI活用者が高く出る。
実装状況: 個人等級シート・等級表§2の改善・再現軸は既にこの表現。v3.0でも維持。
2-2. スループット標準(制度前提)=ロール別較正+グランドファザリング
制度前提として明文化(カルチャーデック/等級表§1):
「いいんじゃでは、投入時間あたりに担えるスコープの標準がAI活用前提で上がっていく。ただしロール別に較正する(AI恩恵の大きい実行系マーケは上げ幅大、機微なクライアント対応・高難度クラフトのクリエイター等は上げ幅小)。標準改定は年1回・事前告知・学習支援とセット。既存の上位帯・馬力型ベテランは降格・減給しない(グランドファザリング)。新標準は次の昇格・新規採用に適用する。」
注意: 効くのは実行比重の高いB/A帯まで。特級帯は量でなくチーム/ユニットの再現資産の横展開で見る。
| ロール | 標準の上げ幅(初期値・要ぽち) |
| 実行系マーケ | 大 |
| 営業 | 中 |
| クリエイティブ(CD) | 中〜小 |
| クリエイター(制作) | 小 |
| 開発 | 大 |
2-3. スキルマップの「AIネイティブ度」軸=成果物ベースの観測アンカー
自己申告「日常的にAIを使う」では測らない。成果物の有無で5段階:
| 素点 | 観測アンカー |
| 5 | チーム全体の成果をAIで上げられる … 工程をAIでSOP化し、他ユニット/他者に横展開されて使われている |
| 4 | AIを前提に業務のやり方を変えられる … 工程を再設計し、他者に採用された再利用可能なAIワークフロー/自動化を複数構築 |
| 3 | 自分の業務フローの一部をAI化できる … 自工程をAIで効率化し、作った手順/プロンプトがチーム内で1件以上再利用された |
| 2 | 文章・要約・翻訳・議事録などに使える … 定型タスクをAIで処理した成果物がある |
| 1 | AIに質問して自分の作業に使える … 日常的にAIに質問して作業に使っている(未活用はL1未満) |
| 出典: DeNA(南場智子氏)の公開事例のAI活用レベル1〜5を土台に、観測可能性(成果物で確認・自己申告では測らない)を付与して較正。 |
実装: スキルマップ_v1.md の「AI力」軸=この定義。
2-4. 昇格ゲート(D案の核)
等級(=給与)は今の成果で決める。馬力型でも成果が出ていれば等級は上がる。ただし次の帯へ上がる要件(ゲート)にAIネイティブ度を課す。
| 昇格 | AIネイティブ度ゲート |
| B帯→A帯 | 3以上 |
| A帯→特級帯 | 4以上 |
| 特級内昇級・UL登用 | 5 |
- グランドファザリング: 既存の上位帯・馬力型ベテランは遡及適用しない。ゲートは次の昇格・新規採用から
- ランプにする: ゲート未達者には学習支援(AIオンボーディング・ペア作業)をセットで提供してから判定
実装: 個人等級シートv3.0の[3.5]昇格ゲート・チェック欄/スキルマップの昇格ゲート節。
3. 被評価者に正直に伝えること(制度の信頼のため)
AIネイティブ度が低いと、担える量・複雑度が上がりにくく、結果として上位等級(=給与)に届きにくい。これは事実。
- ただし "AIを使ったか" を直接採点はしない/崖でなく学習支援付きのランプ
- "AIは給与に無関係" とは言わない(被評価者に見透かされ制度の信頼を損なう)
4. ぽち確認ポイント(Jul 15 FGで確定)
📝 暫定・要ぽち承認
以下(a)〜(e)は本仕様の中でも未確定のチェック項目。Jul 15 FGで確定する。
- (a) 手段は採点しない(YES/NO)
- (b) 改善・再現軸を「再現資産を残す」で書く(YES/NO)
- (c) スループット標準をロール別較正+グランドファザリングで導入(YES/修正/NO)+ロール別上げ幅の初期値
- (d) AIネイティブ度を昇格ゲートにする(D案)/マインド9つ目にする(E案)
- (e) 昇格ゲート閾値(B→A=3・A→特級=4・特級=5)の承認
5. E案フォールバック((d)=Eになった場合の差分)
- スキルマップの「AIネイティブ度」を独立軸・昇格ゲートにはしない
- 代わりにいいんじゃマインドを8→9つ目に拡張し、「AIネイティブ」を他マインドと同列の行動評価(観測アンカー付き)で見る
- 個人等級シートの[3.5]昇格ゲート欄は削除し、いいんじゃマインドの評価欄に統合
短所: マインド評価の重みが弱いと形骸化 → その場合は(c)スループット標準の較正を強めて補う。
A単独(ゲートもマインド追加もしない)は非推奨("必須"を担保できない)。
6. 影響ファイル(この仕様が触れる先)
| ファイル | 織り込み内容 |
| 個人等級シート_v3.0 | 改善・再現軸(2-1)/[3.5]昇格ゲート(2-4) |
| 等級期待値マップ_統合版_v1 | 改善・再現軸の書き方(2-1)/スループット前提(2-2) |
| スキルマップ_v1 | AI力=AIネイティブ度アンカー(2-3)/昇格ゲート(2-4) |
| カルチャーデック / 等級表§1 | スループット標準の制度前提文(2-2) |
7. 外部裏付け(DeNA・南場流)と派生アイデア
本仕様は DeNA(南場智子氏)の公開事例と方向が一致しており、外部の実証として補強になる。
- 一致点:①AIを一部の詳しい人任せにせず全社に広げる ②AI活用能力をレベル1〜5で可視化する独自指標を持つ ③「単にAIを知っている」でなく使い倒して個人・組織の成果に貢献した実績を評価に反映(=うちの「手段は採点せず成果で見る」「AIネイティブ度=スキル指標+昇格ゲート=D案」そのもの)。
- 採り入れ:AIネイティブ度の5段ラダーを南場版(質問できる→定型に使える→自工程をAI化→AI前提に働き方を変える→チーム全体の成果を上げる)に差し替え、観測アンカーで測定可能にした(§2)。閾値 B→A=3・A→特級=4・特級=5 ときれいに対応する。
- 派生アイデア(将来・要検討):DeNAはAIエキスパートチームが事業インパクト/品質/セキュリティ/法務/データガバナンス/使い勝手/コスト/サポート等の観点でAIツール自体を評価し社内公開している。うちでも「個人評価」とは別に、AIツールの多観点評価・推奨リスト(社内SSoT)を持つ機能を、真実探求/Give精神と接続して置ける。組織開発とは分けて管理。