いいんじゃ / 組織開発
2026-08-03 ─ 田中さんの問い「項目がMECEかどうか」への回答
「一言で表すと」と「ユニークアビリティ」は、並べてはいけない
ボードではこの2つが横並びのヘッダー2枠になっていますが、並列に置くとMECEが崩れます。
この2つは同じレイヤーではなく、導出関係だからです。ここを直すと、必要な項目が自動的に決まります。
出典=共有された3枚のスクリーンショット
⚠️ Figma本体は権限がなく未読
先にお断り:Figmaボード本体は読めませんでした。
ブラウザは nakazi555@gmail.com でログインしていますが、当該FigJamは「アクセス権をリクエストしてください」の画面でした
(会社アカウント側で共有されていると思われます)。アクセス申請は田中さんに通知が飛ぶ外向きの操作なので、押していません。
したがって以下は、いただいた3枚のスクショから読み取れた内容だけを根拠にしています。
ボード上に他の付箋があれば、この設計は更新が要ります。
01最初に直す1点
UAは「部品」、一言は「完成形」
部品 ─ 本人の中にある
ユニークアビリティ
その人が勝てるときに必ず起きている要素の分解。掛け算で書くのは、単体では平凡でも組み合わせで希少になるから。
例:構造化 × 粘り × 巻き込み
単体では誰にでもあるが、3つ揃うと社内に他にいない
→
完成形 ─ 他者の中にある
一言で表すと
その掛け算の結果、周りがその人を何と呼ぶか。組織における置き場所(ポジション)であり、他者が使う紹介文。
例:「散らかった議論を1枚にして前に進める人」
=UAを他人の言葉に翻訳したもの
だから記入順は UA → 一言です。逆順(先にキャッチコピーを付ける)だと、後からUAが辻褄合わせになります。
そして「一言」はHRが勝手に貼るラベルではなく、本人と合意して初めて書ける欄です。ここが「見立て」(=HRが持つ仮説)との決定的な違いになります。
MECEの観点で言うと:「一言」と「UA」を並列に置くと、内容が重複します(同じことを粒度違いで2回書く)。
導出関係にすると重複が消え、しかも「UAは言えるが一言にならない」=まだ言語化が浅いというシグナルが読めるようになります。
02MECEの軸
項目は「4つの問い」で割ると、漏れも重複もなくなる
人材プロデュースで答えるべき問いは、突き詰めるとこの4つしかありません。
ボードの「やること3つ」(UA/時間軸×スキルシート/時間軸×プロデュース戦略シート)も、この4つに収まります。
Q1. この人は何者か本人と共有
識別。
ここが決まらないと以下が全部ぼやける。
- ユニークアビリティ(○○×○○×○○)
- 一言で表すと(UAを他者の言葉に翻訳・合意後に書く)
- 現在の役割/等級(事実だけ)
ボードの「UA」=ここ。シートの最上段に置くのは正しい
Q2. なぜそう言えるか本人と共有
根拠。
大目標の「定量・定性情報の可視化」はここ。
- 定量:担当案件・実績・戦闘力シートの現在地(H段/S段)・稼働
- 定性:資質(MBTI/ソーシャルタイプ/4脳分類)
- 資産:人脈/知識(形式知・暗黙知)/影響力
- これまで取り組んできたこと(=過去の軌跡)
ボード「その人の方向性・取り組んできたこと・成長をすべてわかる」=ここ
Q3. どこへ行くか本人と共有
目標。
時間軸はここに掛かる。
- Will / Can / Must
- どんなUAを発揮したいか(=Willの具体形)
- 半年後(105%)/1年後(120%)の状態
- 次の等級目標(戦闘力シートは参照のみ)
ボードのピンク付箋「Will can must/どんなUAを発揮したいか」=ここ
Q4. どう連れて行くか一部はHRのみ
手段。
ここだけ本人版とHR版が分かれる。
- 本人と共有:伸ばすスキル/次の一歩/3ヶ月の狙い/会社が出す装備
- HRのみ:見立て(この人はこう花開く)
- HRのみ:スタイル/型(山登り・川下り、どの型で攻めるか)
- HRのみ:称賛の仕掛け(何をどこで称えるか)
- HRのみ:やらせないこと/配置の意図
田中さんの3つの指摘(見立て・スタイル・称賛は本人には不要)=全部このQ4に入る
なぜこれでMECEになるか:Q1は「現在の定義」、Q2は「過去の証拠」、Q3は「未来の目標」、Q4は「その間を埋める手段」。
時間(過去・現在・未来)+手段で割っているので、どの項目も必ずどれか1つに入り、2つには入りません。
032枚に割る
田中さんの指摘は「シートは2枚要る」ということ
「見立て/スタイル/称賛は、自身が見えるシートには不要。HRが知っておけばOK」── これは項目を削る話ではなく、シートを分ける話です。
| 項目 | 本人が見るシート 「ワクワクするシート」 | HRが持つシート 配置・育成の設計図 |
| ユニークアビリティ(○○×○○×○○) | ◎ 最上段 | ◎ 同じものを共有 |
| 一言で表すと | ◎ 合意後に書く | ◎ |
| 定量(実績・等級・稼働) | ○ | ◎ |
| 資質(MBTI/ソーシャル/4脳) | ◎ 自分を知る | ◎ |
| 資産(人脈/知識/影響力) | ◎ | ◎ |
| Will / Can / Must | ◎ 本人が書く | ○ 参照 |
| 半年105%/1年120%の状態 | ◎ 合意して書く | ◎ |
| 伸ばすスキル・次の一歩・装備 | ◎ | ◎ |
| 見立て(この人はこう花開く) | — | ◎ HRのみ |
| スタイル/型(山登り・川下り) | — | ◎ HRのみ |
| 称賛の仕掛け | — | ◎ HRのみ |
| やらせないこと・配置の意図 | — | ◎ HRのみ |
| アラート(後述) | — | ◎ HRのみ |
なぜ隠すのが正しいのか(設計理由):見立て・スタイル・称賛の仕掛けは「HRの仮説」です。
仮説を本人に文書で見せると、①決めつけに見える ②本人がそれに合わせにいく(自己成就して検証にならない)。
ただし会話では必ず共有する──「こう見えてるんだけどどう?」と口頭で当てて、合意できたものだけが本人版の「一言」に昇格する。
紙で渡さず、会話で当てる。これが2枚に割る本当の意味です。
04時間軸
105%・120%は「何が増えたら」達成なのか
1on1計画シートのフェーズ(種探し→言語化→深化105%→発揮120%)に、観測できる指標を当てました。
ここが決まらないと「なんとなく成長した気がする」で終わります。
初回(実施済み)
UAの種探し
本人も言語化できていない状態。過去の「勝てた仕事」を集めるのが目的。
できたと言える状態候補となる要素が3つ以上、本人の口から出た
短期(〜半年)
UAの言語化ここまでが土台
○○×○○×○○ が本人の言葉で書ける。HRの見立てと本人の自認が一致する。
できたと言える状態本人が自己紹介でその3語を使う
中期(半年)
UAの深化影響度 105%〜
3要素のうちどれか1つが1段深くなる。または発揮できる場が1つ増える。
観測のしかた頼まれごとの質が変わる(同じ依頼が増えるのでなく、一段難しい依頼が来る)
長期(1年)
UAの発揮影響度 120%〜
掛け算の組み合わせ自体が変わる(新しい要素が加わる/他人に影響を与える側になる)。
観測のしかた本人が「自分の影響力とは何か」を自分の言葉で語れる(=ボード長期の記載どおり)
105%と120%を「量」で測らないのが肝です。量(案件数・稼働)で測ると戦闘力シート・等級と二重になり、
「報酬非連動」の約束が崩れます。
代わりに「頼まれごとの質の変化」で測る。これは本人にも他者にも観測でき、かつ査定には直接載りません。
── 105%=一段難しい依頼が来るようになった/120%=依頼される役割そのものが変わった、が最も素直な定義だと思います。
05アラート
「アラート検知」に何を置くか
1on1計画シートで全期間を横断している赤帯です。何を検知するかはスクショから読み取れなかったので、
ここは推測せず、置く候補だけを挙げます。
| 検知したいこと | 何を見れば分かるか | 誰に上げるか |
| 本人が方向性に納得していない | 2回連続で「特にないです」/目標欄が埋まらない | HR内で留める |
| UAと今の仕事が噛み合っていない | 本人の3語と、担当案件でやっていることが重ならない | UL(配置の相談) |
| 成長実感がない | 「進んでいる感覚が自他共にある」(中期の狙い)が本人から出ない | UL |
| 離職リスク | ※ここは基準を作ると監視になる。扱うか決めるべき論点 | 要判断 |
設計上の注意:アラートはHR版シートにのみ置く。本人版に出すと1on1が査定・監視に変わります。
また「エスカレの基準」はAsanaの別タスク(1on1のレポーティング=ログは見れない)と同じ話なので、そちらと1本化すべきです。
06差分
いま作ってあるv0.1から、何を変えるか
| 変更 | 理由(出どころ) |
| 1枚 → 2枚に分割(本人版/HR版) | 田中さんの3コメント(見立て・スタイル・称賛は本人には不要) |
| 最上段に「UA」+その下に「一言で表すと」を追加(v0.1にはUAはあるが「一言」が無い) | ボードのヘッダー2枠。ただし並列でなく導出順にする |
| 【D】資産に「定量」を足す(実績・稼働・等級の現在地) | 大目標「定量・定性情報を可視化できる」 |
| 【H】3ヶ月 → 半年105%/1年120%を追加 | 1on1計画シートの影響度 |
| HR版にアラート欄を新設 | 1on1計画シートの赤帯 |
| シートのゴールを冒頭に明記(自分を知る/実力発揮/最適配置/ワクワクする) | ボードの緑付箋 |
v0.1の10ブロック(A〜J)は捨てずに、4つの問いに再配置するだけで足ります。
A=Q1/B・C・D=Q1とQ2/E=Q3/F・G・I=Q4のHR側/H・J=Q4の本人側。作り直しではなく並べ替えです。
07決めたいこと
ここだけ決めてもらえれば v0.2 を作れます
- 「一言で表すと」は本人と合意してから書く欄にしてよいか。(HRが先に埋めて見せる形にすると、見立てと同じ問題=決めつけになります)
- 105%/120%を「頼まれごとの質の変化」で測ることに合意できるか。量で測ると戦闘力シートと二重になり、報酬非連動が崩れます
- アラートに「離職リスク」を含めるか。含めると監視色が出ます。含めないなら何を代わりに見るか
- 本人版シートはどこに置くか(本人が自分で更新できる場所か、HRが更新して見せるだけか)
- Figmaへのアクセス権をもらえますか。ボード上に他の付箋があると、この設計は変わります