いいんじゃ / 人材プロデュース
HR・上長版 v0.4 ─ 見立てを立て、機会を渡すための面

メンバー版の裏側で、HRが持っておくもの

メンバー版と同じ19項目(WHY=Will/HOW=Can/WHAT=Must)を追いながら、各項目に「何を見るか」とコメント欄を足しています。
加えて、本人には渡さない4ブロック(見立て・資質・称賛の設計・アラート)と機会リストを持ちます。

📖 用語は「共通言語」に準拠 →
取り扱い注意。本シートは本人に紙で渡しません。見立て・資質・型は「HRの仮説」であり、 紙で見せると①決めつけに見える ②本人がそれに合わせにいって検証にならない、の2つが起きます。
会話では必ず当てる(「こう見えてるんだけどどう?」)。合意できたものだけがメンバー版の「一言で表すと」に昇格します。
01本人シートを読む

19項目 ── 何を見て、何を書き込むか

左=本人の記入から読み取ること/右=HR・上長が書き込む欄

1ユニークアビリティ(UA)── いまと、これから+差分WHY=Will
★ ここを見る
  • いまのUAとこれからのUAの差分が出ているか。差分が無い=これからのUAが「今のまま」になっている
  • 差分が進化クエスト(⑪)と繋がっているか。繋がっていないなら、どちらかが本気でない
  • 3つが同じことの言い換えになっていないか(=分解できていない)
  • 掛け算で希少になっているか(単体は平凡でよい)
  • 職種名で書いていないか(=まだ自分を定義できていない)
  • 3足のわらじで出した場合、共通して出る語があるか=それが本命
  • 本人が声に出して言えるか(言いにくい語は捨てる)
HRから見たUA(会話で当てる)
差分の妥当性/この差分は今期で埋まるか
自認とのズレ=今日いちばん話す価値のある場所
2一言で表すとWHY=Will
★ ここを見る
  • UAから導出されているか(UA→一言の順。逆だと辻褄合わせになる)
  • 本人の顔が浮かぶ言葉か/誰にでも当てはまる言葉になっていないか
  • UAは言えるのに一言にならない=まだ言語化が浅いサイン
見立てを当てた結果(合意 / 修正 / 保留)
3Will(105%/120%)WHY=Will
★ ここを見る
  • 量で書いていないか(案件数・稼働時間で書いていたら書き直してもらう)
  • 「頼まれごとの質の変化」になっているか
  • 105%と120%が同じことの言い換えになっていないか
現実性の見立て/必要な機会は社内にあるか
4なぜそこを目指すのかWHY=Will
★ ここを見る
  • 本人の言葉で出てきたか/会社の期待をなぞっただけでないか
  • 空欄なら正常Canから逆算して仮説を出す
  • 2回続けて空欄ならアラート候補
HRが出した仮説(Canからの逆算)
5やりたくないこと・降りたいことWHY=Will
★ ここを見る
  • 書けているか=信頼の温度計。空欄が続くなら関係がまだ浅い
  • 理由が「苦手」か「不公平感」かで打ち手が変わる
アサインの除外条件として記録
6戦闘力(ハードスキル/ソフトスキル)HOW=Can
★ ここを見る
  • 本人の自認と戦闘力シートのH段/S段がズレていないか
  • ズレている場合、過小評価か過大評価か(打ち手が真逆になる)
戦闘力シートから持ってくるのは3つだけ
  • H段/S段の現在地と等級
  • 直近で最も伸びた項目
  • 今期の進化クエストに直結する項目
HRコメント
全項目(ハード17×ソフト15)は載せない。 読めなくなるうえ、点数が1on1に入り込みます。点数は本人版には出しません。
7いいんじゃマインド8HOW=Can
★ ここを見る
  • 本人が挙げた「強い2つ」は、UAと重なっているか(重なっていれば自己認識が一貫している)
  • 「弱い1つ」は今期の進化クエストで触れるものか/触れないなら放置でよい
  • プロ意識=持つ基準の高さ。行動・成果物で見る(精神論で測らない)
  • マジレス=本音・誠実なフィードバック。ここが弱いと1on1でも本音が出にくい
HRから見た強み/弱み(8軸のどれか)
昇格ゲートの観点で気になる軸
論理的思考/批判的思考/構造化能力/水平思考/プロ意識/真実探求/Give精神/マジレス の8つ。 戦闘力の面積には掛けず、全等級共通の土台として置く(昇格ゲート化は要ぽち/よしき)。
8資産(人脈・知識・影響力)HOW=Can
★ ここを見る
  • 人脈資産:繋がっていない領域はどこか(=次の機会の候補)。社外がゼロならいきなり飛び込ませず同行から
  • 知識資産:暗黙知が空=まだ人に会いに行けていないサイン
  • 影響力:スキル面・経験面とも空なら、まず社内で1つ"聞かれる人"になるのが先
  • 「今期積む1つ」が本当に1つに絞れているか
次に繋ぐべき先(HRの持ち駒)
HRコメント
9型とスタイルHOW=Can
★ ここを見る
  • 選んだ型が資質(四脳・ソーシャルスタイル)と噛み合っているか
  • ⛰山登り型なら事前に狙いを決める時間を、🌊川下り型なら後から意味づける振り返りを用意する
  • 苦手な型を無理にやらせない(=「やらないこと」に落とす)
HRの見立てとのズレ
10Must(ユニットKSF / 焦点)WHAT=Must
★ ここを見る
  • ユニットKSFから降りているか(個人の希望だけになっていないか)
  • Will ∩ Must の焦点が1行で言えるか=ここが書けたら、この回は成功
  • 焦点が無いまま進化クエストを決めると、途中で失速する
曽山哲人氏「組織目標と個人目標をつなげることで、各メンバーはチームのための動きができるようになります出典
ユニットKSFとの接続(HR・上長が書く)
11進化クエスト(今期のチャレンジ)WHAT=Must
★ ここを見る
  • 「少し怖い」か=怖くないなら挑戦になっていない
  • やったことがある領域の延長になっていないか
  • Will・Canと繋がっているか(唐突な挑戦は続かない)
  • 1つに絞れているか(2つ以上は全部やらない)
HRが用意した候補(機会リストから2〜3個)
本人から出てきたものが最優先。候補は出てこないときの備え
12やりきるポイントWHAT=Must
★ ここを見る
  • 一点に絞れているか(全部を完璧に、になっていないか)
  • それは本人がコントロールできる範囲か(相手都合で決まるものを置いていないか)
失敗してよい範囲(上長が決めて先に伝える)
これを先に言わないと人は挑戦できない
13今期やらないことWHAT=Must
★ ここを見る
  • 「諦め」と受け取られていないか(=配分の話として伝わったか)
  • 引き取り先が決まっているか(やらないだけだと不安になる)
引き取り先
⚠️ この欄は当面「口頭のみ」で運用してください。 ここで「やらない」と決めた項目が、戦闘力シートでは未着手(深度0)として分母に入るため、 やらないと決めるほどスコアが下がり、等級が下がります。 (a)N/Aで分母除外/(b)重みで吸収/(c)紙に残さない の三択が未決。決まるまで紙に書かない
14会社はどうサポートするかWHAT=Must
★ ここを見る
  • 本人が遠慮していないか(空欄は「頼めない」のサインかもしれない)
  • 出すものがお金だけになっていないか(同行・紹介・時間の確保の方が効くことが多い)
HRが実際に手配するもの/期限
15どうやって進めるかWHAT=Must
★ ここを見る
  • やり方を教えない。本人に説明させる
  • 次回の冒頭5分で本人がプレゼンする約束が取れているか
  • 思考の順番がおかしければ、答えでなく問いを返す
李英俊氏「入口管理=何を・どの順番で・どうやるかをプレゼンさせ、思考過程そのものを変える出典
返した問い/次回の宿題
16-18会社からの期待:目標・役割・評価
★ ここが最も手を抜けない
  • 目標=ユニットKSFと進化クエストが線で繋がっているか
  • 役割=「何を担う人か」が一文で言えるか
  • 評価何が起きていたら成功と呼ぶかを、始まる前に言葉にする
  • ※ここでいう評価は等級・給与の査定ではない。混同されると全部が壊れる
目標(ユニットKSFとのつながり)
役割(一文で)
評価(何が起きていたら成功か)
19次回いつ話すか
★ ここを見る(いちばん落としやすい)
  • その場でカレンダーを押さえたか。「後日調整します」で終わっていないか
  • 次が 🌾収穫(3回目)なら、★差分を当てる回だと本人に予告したか
  • ⚠️ 9/11〜9/25(等級評価の共有期)に重ねていないか。 重ねると「あれは査定の下ごしらえだった」と読まれ、報酬非連動の約束が一度で壊れる
この項目に観察行が無かったため、実際に日程押さえが期限超過した経緯がある(2026-08)。最後に必ずここへ戻る
次回の日程(押さえた日を書く)
ダッシュボードの「次回予定日」に転記したか
02HR専用

本人には渡さない4ブロック

A. 見立て(HRの仮説)紙で渡さない・会話で当てる
この人はこう花開く
尖らせる方向
UAのどれを伸ばすと、この人が一番遠くまで行けるか
いま伸ばさないもの
苦手を平均化しない。伝えるときは「配分」として
合意できたか
□ 当てた □ 合意した(→ メンバー版②「一言で表すと」に昇格) □ 修正が入った □ まだ言えていない
B. 資質(楽な入口)上長版には出さない
四脳分類
A論理/B堅実/C友好/D冒険 ※全社診断(8/3〜9/30)の結果を流し込む
ソーシャルスタイル
ドライバー/エクスプレッシブ/アナリティカル/エミアブル
MBTI
1行の見立て
注意
資質は「楽な入口」であって檻ではない。決めつけの材料にしない
C. 称賛の設計仕掛けは見せない
何が起きたら称えるか
量(会った数・投稿数)ではなく結果と変化を称える
どこで
Discordの活動報告 → スタンプ。月次の神ムーブに上げるか
誰に言わせるか
HRが称えるより、周りが自然に反応する設計の方が効く
D. アラートHRのみ・エスカレ基準と1本化
Willが出てこない
2回続けて③Willと④なぜが埋まらない
UAと仕事が噛み合わない
①のUAと、担当案件でやっていることが重ならない
成長実感がない
「進んでいる感覚が自他共にある」が本人から出てこない
検知したら
□ HR内で留める □ ULに相談 □ エスカレ(→ 別タスク「1on1レポーティング(ログは見れない)」の基準と統一する)
03HRの持ち駒

機会リスト ── 渡せる進化クエストのパターン

1on1の前にこれを見て、その人に合いそうなものを2〜3個持っていく。本人から出てきたものが最優先で、これは出てこないときの備えです。メンバー版には載せません。

進化クエストの例これが伸びる向いている人
新規案件のリードを持つ戦闘力(ハード)・責任の重さやりきった経験がある人
提案・商談に同席する同行戦闘力(ソフト)・場慣れ社外の人脈資産がゼロの人の最初の一歩
社外イベントで登壇する発信影響力(社外)書ける人・整理できる人
採用の面接官をやる人を見る目・言語化自分の言葉を持ち始めた人
社内勉強会を主催する場づくり影響力(社内)・構造化能力「聞かれる人」になりたい人
他ユニット横断のPJに入る人脈資産(社内)・視野自分のチームに閉じている人
できている人に会いに行く飛び込み/紹介され知識資産(暗黙知)形式知は十分だが動けていない人
後輩の教育担当になるギブ言語化・Give精神次の等級を狙う人
実物は事業側(UL)に埋めてもらう欄が要ります:いま実際に空いているものはどれか。 ここが事業側から供給されないと、HRは「頑張ってください」しか言えません。
04回収

上に上げるもの/上げないもの

HRが下す判断回収する情報状態
誰に経費・機会を使うか(投資)⑭会社のサポート/⑧資産の空白/⑪進化クエスト運用する
誰を今期は守るか(負荷)⑤降りたいこと/上長から見た実態とのズレ運用する
誰が危ないか(エスカレ)ブロックDのアラート運用する
組織全体で何が偏っているか(横断)①UAの分布/いいんじゃマインド8の分布/資質の分布(四脳診断と接続)全員分が揃ってから
どういう打席を渡すか(配置)一旦保留(下記)
「どういう打席を渡すか」は一旦保留にします。 現在の人数規模では、制度で機械的に割り当てるより、個々人ごとにケースバイケースで考えるほうが精度が高いためです。 仕組み化するのは、人数が増えて一人ずつ見きれなくなってからで間に合います。
→ それまでは機会リスト(§03)を見ながら、その都度HRが判断する運用にします。
回収しないもの:等級・深度・戦闘力の点数/他人の評判・人物評/プライベート。
上げるのは本人と合意した結論だけ。生の言葉・迷い・愚痴は上げない。 ── 回収されるのは、本人に読まれても困らないものだけです。
05委譲

上長に渡すときのルール

フェーズ誰が回すか上長に渡すもの/渡さないもの
Phase 1(いま〜10月)HRが全員と実施—(HRが持つ)
Phase 2(10月〜)上長が実施・HRは月1レビュー渡す:①〜⑱の項目と「★ここを見る」観点/渡さない:ブロックB(四脳・MBTI・資質)とブロックA(見立て)
Phase 3(来期)本人がシートを持って話す1on1の冒頭5分は本人のプレゼンから始める
上長に渡すときの3原則: ① 四脳分類・MBTI・資質を出さない(知らなくても回るようにする) ② 上長がやるのは「事実の確認」と「進化クエストを渡せるか」の2つだけ見立てを立てるのはHRが持ち続ける(属人性が高く、渡すのは最後)
⚠️ Phase 2を9月(評価共有期)に重ねない。重ねると「あれは査定の下ごしらえだった」と読まれ、一度で信頼が壊れます。
06会議

会議は2階建て(月1 = 配置/四半期 = プロデュース)

2026-08-12 決定。当初は人材プロデュース会議を四半期1本で置いていましたが、 議題も材料も違う2つが混ざっていたため、2階建てに分けました。

会議頻度何を決めるか持ち寄る材料
人員配置会議
運用レイヤ:労務と配置の管理/採用連携
月1 各メンバーのアラート状況配置/アサインするミッション・役割の最適化 → それと連携して採用で必要な動きを決める 00_ダッシュボードの運用列(アラート/フェーズ/次回予定日)+ええんちゃうPL
人材プロデュース会議
運用レイヤ:人材プロデュース
四半期 ①この人は今どうか ②この人をどうプロデュースしていくか → 次の四半期でどの進化クエストを渡すか ★差分(いまのUA→これからのUA)/★焦点/進化クエスト
なぜ分けたか。 ★差分が実際に埋まるのは3回目=収穫(11〜12月)以降です。 それより短い周期で「プロデュース会議」を名乗ると、毎回「差分はまだ空です」で終わり、会議が形骸化します
一方でアラート・配置・アサインは月次で見ないと手遅れになる——この2つは別物なので、名前ごと分けました。 月1の会議でUAの話が出てきたら、四半期のプロデュース会議に送るのが正しい運び方です。

人材プロデュース会議(四半期)の中身

項目内容
目的この人は今どうかこの人をどうプロデュースしていくかを、経営層とHRで話し合う
頻度・参加者四半期に1回/経営層 + HR
持ち寄るものプロデュースシート(全員分)。特に ★差分/★焦点/進化クエスト の3つ
所要1人あたり5〜10分 × 人数
扱わないこと等級・給与の査定(別トラック)。ここで決めた内容を報酬に直結させない
進め方(1人あたり)やること
1. 現在地いまのUA一言で表すとを読み上げる(30秒)
2. 差分いまのUA → これからのUA の差分を確認する。ここが議論の起点
3. 今どうか上長・HRから見た実態。本人の自認とズレていないか
4. どうプロデュースするか差分を埋めるために、次の四半期でどの進化クエストを渡すか(→ §03 機会リスト)
5. 決めること①渡す進化クエスト ②会社が出すサポート ③次に見るタイミング
なぜ「差分」を議論の起点にするのか: 「この人は今どうか」だけだと感想大会になります。いまのUA と これからのUA の差分という具体があると、 「では何を渡すか」が自動的に決まります
Aさん(仮)の例:差分=「巻き込み → 外に出す」→ 社外に出る経験が足りない → だから登壇の機会を渡す。議論が5分で終わります。

人員配置会議(月1)の中身

こちらは「この人をどう伸ばすか」ではなく「いま誰がどこで、何が起きているか」を見る会。所要は全員分で30分を目安に。

進め方やること
1. アラートだけ縦に見るダッシュボードのアラート列を上から。空欄の人は飛ばす。全員を語らないのが月1を30分で終える条件
2. 手が止まっている人次回予定日が過ぎて赤くなっている行/進化クエストが2ヶ月動いていない人/月次チェックの①手応えが△×の人
3. 配置とアサインいまのミッション・役割が本人の武器と噛み合っているか。動かすなら誰と入れ替えるかまで決める
4. 採用へ渡す配置で埋まらない穴=採用の必要数と要件。ここが採用連携の入口(=穴が見えてから採る。先に採らない)
5. 決めること①今月動かす人と動かし方 ②HRが今月やること ③採用に投げる要件
扱わないこと(月1・四半期に共通)=等級・給与の査定。 ここで決めた内容を報酬に直結させません。査定は戦闘力シートという別の紙で、別のタイミングで行います。
⚠️ 組織図では「人材プロデュース」がミッション・報酬設計にぶら下がっていますが、これは 「設計が運用を支える」という意味であって、プロデュースの内容を報酬に接続するという意味ではありません。 メンバーに図を見せる場合はこの注釈を必ず添えてください。
アウトプットはスプレッドシートで運用します。 1人1行で並ぶので、会議では★差分の列だけを縦に見ていけば全員分の議論ができます。
実体は2本に分かれています(2026-08-11 作成済み)。 🔒 プロデュース管理(HR・上長用) = 00_ダッシュボード/01_会社からの期待/02_月次チェック/03_人材プロデュース会議/04_機会リスト/05_1on1のHRメモ/06_記入ガイド_HR用。
★ファイルを2本に割っているのは、列の非表示では守れないからです。 誰かが1回「非表示を解除」すれば見立て・MBTI・アラートが本人に見えます。 権限はファイル単位で分ける——本人用(私のプロデュースシート)にはリンク共有を設定し、 このHR用にはリンク共有を設定していません(所有者のみ。渡すときは相手のメールアドレスを指定して個別に権限を付ける)。